第28章 力
「柏木、コーチが戻れってさ」
「はい」
体育館の外で天を仰いでいると、澤村先輩に声をかけられた。
「聞きました?」
「あぁ、まぁな」
「そうですか」
引かれてないみたいだし、とりあえずは良いか。
「お、来たな。
早速で悪いがこいつらを分析してみろ」
「はい?」
分析?
なんでいきなり。
「そんじゃ…試しに日向な」
「お、俺?」
「まぁ、良いですけど…」
ゴソゴソとバッグから少し厚めのキャンパスノートを取り出す。
「テクニック、1。
スタミナ、5。
パワー、1。
バネ、5。
スピード、5。
頭脳、1。
平均値、3。
全て5段階評価です。
動体視力は高いから溢れ球にも迅速に対応出来ると思います」
あらかじめノートに書いてあったことを述べる。
「高さは?」
「ジャンプの最高到達点は327センチです」
「ほぉ…これは使えるな」