白昼夢第2幕【太陽の出づる場所】月島明光[®18]
第18章 RULER-支配者-
時が止まる
お手伝いさんの声が
遠くに聞こえる
『なんで?帰ってくるの?』
私の誕生日も
クリスマスもお正月も
帰って来なかったのに…
「…。私からは
言い兼ねます」
お手伝いさんは
それだけ言うと
部屋を出て行ってしまった
マコトとママが。
なんで?マコトの
コンテストとかかな?
それならスグ帰るよね?
チョットだけなら
大丈夫。
大丈夫なはずなのに
なんで?
家族が帰って来るだけなのに
なんでこんなに
ソワソワするんだろう
静かに忍び寄る
不穏な気配を感じて
私は小さなため息を繰り返し
学校に向かった