第12章 労苦
『それじゃマコトは?
幸せになれないんじゃないの?』
ママはきっとマコトを手放さないし
結婚相手すら
自分の都合で用意しそうだし
「オレ?幸せだよ?」
キョトンとした顔で私を見て
「姫凪が居るじゃん
明光くんも居るし
味方いるからオレは幸せ!
初めてだもん!俺の為に
あんな真剣になってくれる人!
オレ、幸せだよ、姫凪」
ニコニコ笑う
「だから、さ。オレも
姫凪の幸せの手伝いしたい
だから、怒らないでね?」
『うん、なぁに?』
「オレ、姫凪は明光くんと
居るべきだと思うんだ」
まっすぐに放たれた言葉に
返せず私は下を向く