第4章 4 傷と微熱 #水戸部凛之助
貴女side
『痛っ!』
部室での作業中、沢山の書類で指を切った。
『う…』
紙で指を切ると、思ったより痛いから嫌だ…
絆創膏を探しに荷物を漁った。
『無い…』
こんな時に無いなんて…女子力無さすぎ…
部活用の救急箱も確認してみる。けど、なんという偶然、絆創膏だけが無くなっている。
水戸部先輩なら持ってるかな?
そう思って練習中の先輩に声をかけた。
『先輩、絆創膏持ってませんか?指切っちゃって…部活用の救急箱にも無くて』
そう訪ねると水戸部先輩は大きく一回頷いた。
そして、部室を指差した。
『部室にありますか?』
もう一度、大きく頷いた。
そうして、促すような目をした。
その目に誘われて、私は水戸部先輩に着いていった。