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誰も知らない。【気象系BL】

第12章 顔







…参った。

デキる男、櫻井翔ともあろうこの俺が
BL小説読んでて寝過ごした


ねみぃ…



「珍しいね、翔ちゃん。昨日遅かったの?」


楽屋でファッ、と欠伸する俺を
智くんが不思議そうに覗き込む


「あー、うん。ちょっとね…」

「少し寝る?」

「大丈夫、大丈夫」

「無理しちゃダメだよ」


急にワントーン下がった智くんのその声に
ドキリ、とした


「熱あるんじゃない?」

「無い、無い!」

「顔赤いよ?」


智くんのおでこが
俺のおでこにピタリとくっ付いた


「熱はなさそうだな」

「…ほらっ!大丈夫って言ったでしょ」


「じゃあなんで顔赤いの?」

「…っ、」


「翔ちゃん」

「…何?」





「もしかして、俺のせい…?」



!!!





…なんだ、夢か…


小説を読みながら俺はいつしか寝てしまっていて
妙にリアルな夢まで見ていた


「もう3時じゃん…」


俺はパソコンの電源を落とし
ベッドに横になった









翌日のレギュラー番組の収録。
楽屋で新聞を読みながら小さく欠伸をした


「珍しいね、翔ちゃん。昨日遅かったの?
無理しちゃダメだよ」


あれ?どっかで聞いたセリフ…


「熱、あるんじゃない?
顔…赤いよ?」




ワントーン下がった智くんの声に
身体がブルッと震えた



☆END☆
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