第2章 創造 × Yellow。
「あっ…」
突然スポン、と引き抜かれた中指は
銀色に濡れていて。
それを乾いた人差し指に摺り合わせるから
なんか卑猥だってば…。
「あーあ。 見て? グチョグチョ。」
「バカ…汚いじゃん…」
「汚くないでしょ? カズのだもん。」
恥ずかしいこと言ってくれちゃって。
大野さんは立ち上がると
俺に歩み寄って
俺の目を見つめたまま
二本の指をペロッと舐めた。
「ベッド行くぞ?」
「ん…」
背中を向けた大野さんの後ろを
黙って付いていく。
― バタン ―
寝室のドアが閉まると同時に
首元に顔をうずめられて
「んっ…んん、…待っ…!」
ベッドはすぐそこにあるのに。
「カズが誘ったんだろ?」
「誘ってなんかなっ…」
「ウソツキ。
ホントは欲しかったんだろ?」
耳元で囁きながら
腰周りを撫で回す。
「知らなっ…、」
「言ってよ、カズ」
ああっ、もう…
「欲しいっ…大野さん…」
「“大野さん”?」
「さとしっ…」
「良く出来ました。」
唇に触れるだけのキスを一つ落として
大野さんはグイッ、と俺の腕を引き寄せ
一緒にベッドに倒れ込んだ。