第2章 創造 × Yellow。
もう何時間こうしてるんだろう。
いや
俺も勝手にゲームしてるし
いいのよ?
いいんだけどさ
この人
やりだすと俺以上に止まんないんだよね
ちょっとはさ
こっちのことも構ってよ…。
『 YOU LOOSE 』
あーあ。負けちゃった。
耳に嵌めたイヤホンを引き抜き
ゲーム機をテーブルの上に置いた。
そろそろ腹が減る頃。
俺が声かけてやらないと
何時間でもこうしてて
食べることさえ忘れちゃうんだから。
ソファーから起き上がって
そろりと背後に回ってみたけど
そのことにさえも気付いていない様子で。
ずっとこねくり回してた粘土から一瞬手を離したのを見計らって
そっと後ろから抱きしめた。
「うおお!」
ふふっ。びっくりしすぎ。
「も、昼過ぎてるよ?
大野さんも休憩しよ?」
「あぁ、もうそんな時間かぁ」
粘土で汚れたその細くて長い指は
キタナイのに綺麗で。
「綺麗…。」
思わず呟いた。