第1章 最底辺だって、幸せは身近に
「チョロ松、スマホ貸して」
「あ、うん…はい。」
その間も、残りの六つ子の騒ぐ声が聞こえる。
「もしもし、おそ松?チョロ松は嘘ついてないでしょ?」
『え?マジで雪菜さんと一緒なの?!なんで?!』
「なんででもいいでしょ?それより、しばらくチョロ松借りるから、
買出しはあんたが行きなさい」
あえておそ松を指名する。他の誰かなんて言うと面倒なことになるから。
『なんで…なんでチョロ松?!そいつ、チョロシコスキーだよ?!」』
「は?チョロシコ…??とにかく、チョロ松借りるからね。ついでに、朝帰りかも」
そう言って通話終了ボタンを押す。