第1章 出会い
小学生の時に、厳しかったお父さんが
唯一買ってくれたアイドルのCD。
それが、嵐のa・ra・shiだった。
なかなかTVを見せてもらえず、
厳しい家庭で育った私。
外の世界に触れるのは、学校の友達だった。
私と仲の良かった女友達が好きだったグループが
嵐で、彼女は写真やポスターを見せてくれたり
そしてCDを貸してくれた。
ある日その子の家に遊びに行くと、
あるCDが目に止まった。
「聞いてみる?」なんて言われて聞いた時、
私はすぐに彼らの歌の虜になった。
ただ、お小遣いももらってなかった私は、
CDなんて買えるはずはなく、
友達の家に遊びに行った時だけ聞かせてもらう。
ある日、お父さんと2人で久しぶりにデパートに行った。
そしてCDショップの前を通ると、
偶然にも嵐の曲が流れてきた。
「あ、この曲…!」
その時、私がどんな顔をしていたのかはわからない。
お父さんはそれを聞いて、なぜだか
CDショップに入って行った。
そして、この曲は?と店員さんに聞き、
嵐のCDだとわかり、私に買ってくれた。
気まぐれだとしても嬉しかった。
でも、嵐のCDはこの一枚しか持っていない。