第35章 『SHO-WHITE〜森の奥で〜』~?×??~
昔々あるところに、
それはそれは美しいお姫様がおりました。
漆黒の大きな瞳は見つめる全ての者を魅了し、
肌は雪よりも白く透明で…
ほのかにピンク色に染まる頬と、
深紅のバラの蕾よりも愛らしいその唇…
人々は、その姫のことを
『SHO-WHITE』(しょう=ほわいと)と呼びました。
ここは城の奥。
窓のない薄暗い部屋の中、
1枚の鏡に向かっているのは、お妃…
例のごとく、お約束のように意地悪で高慢ちき、とにかくいけ好かないババア…じゃなくて///
とにかく、まあそういう人でした。
妃「鏡よ鏡…この世で一番美しいのはだあれ~??」
鏡「……」
妃「………」
鏡「……」
妃「ちょっと!!鏡!なんで答えないのよ?」
鏡「は~?だって答えたくないんだもん!」
妃「ちょっと!答えないと先に進まないじゃないの!さっさと答えなさいよ!」
鏡「それが、お妃の望む答えじゃなくても~?」
妃「いいから、とっとと答えろ!」
鏡「いいの~??ほんとに~?」
妃「焦らすな!このドアホ!!」
とまあ、こんなやり取りがあったかなかったは定かではありませんが…
鏡が答えたのは、もちろん、森で動物たちと少し距離を置いて戯れる美しい姫、『翔』
鏡「この世で一番美しいのは、翔…」
怒った妃は、家来に、翔を森の奥深くに連れて行って殺してしまう様に命じました。
(はあ~、やっと物語らしくなってきた…)
翔は、家来の横山に連れられて、森の奥深くまでやってきました。