第2章 グレイscene3
キスをしながらゆっくりと指を中に進めた。
「うっ…あ…」
「痛い…?」
「ううん…大丈夫…」
紅潮した頬に口づけながら、必死で大野さんが苦しくならないよう解した。
「…もう…いいみたい…」
「ん…来て…?」
大野さんが俺に向かって両腕を伸ばした。
俺は大野さんに包まれながら、そこに自分自身を充てがった。
「あ…」
「大丈夫だよ…嫌がることはしないから…」
「嫌…今は、して…」
「大野さん…」
「無理矢理でも、俺のことニノのものにして…?」
「…うん…」
嬉しくて…胸が一杯で。
もうなんて言っていいのかわからなかった。
あんなに怯えていた大野さんが、俺に全部を投げ出してくれていた。
こんな嬉しいことが、これ以上のことがあるだろうか。
俺はローションを手に取ると、再びなじませて大野さんを握りこんだ。
「ああっ…ニノっ…」
その靭やかな身体は反り返って、俺の肩を掴んだ。
「やっ…イっちゃうからっ…」
俺の手の中でびくびくしている大野さんが愛おしい。
きゅっと先端に親指を這わせた瞬間、ずぶりと大野さんの中にはいった。
「あっ…」
そのまま、大野さんから声は聞こえなくなって。
暫く先端を挿れたまま動けない。狭くて…
じりじりと額に汗をかきながら大野さんの中を突き進む。
手の中の大野さんは一旦萎えかけたけど、ゆっくりと扱いていたら勢いを取り戻してきた。
「そう…いい子だよ…大野さん…」
囁くと汗を浮かべながら、うっすらと微笑んだ。
身体の力が少し抜けたみたいだった。
ひとつになった瞬間、俺達は抱き合った。
「大野さん…」
「ニノ…」
泣きながら俺のこと受け入れてる大野さんはとても綺麗だった。
キスすると、とてもとても甘い味がした。
いつもより甘くてびっくりした。
「なんか…食べてる…?」
「ニノを…食べてる…」
ふふっと笑うと、また二人でぎゅうっと抱きあった。
一生…大切にするからね…
甘い、あなた
【END】