第19章 Eternal YOU
不思議な不思議な体験だった。
なぜこのようなことになったのか、全然わからなかった。
だが…
デスクの上に開いて伏せられたままの千櫻記…
手に取って確認する。
そこには白紙の頁…
そう…この本は、白紙の本なのだ。
しかし、不思議なことにこの本を開く前に、強い衝動を感じていると、文字が見えるのだ。
そこには、誰よりも自分が望んだ小説が描かれている。
毎日毎日、和也様を思ってはこの本を開き、私は自分の描いた世界に溺れていたのだ…
和也様の目には、どのような物語が映ったのだろう。
「翔…?」
ベッドの中から私を呼ぶ声がする。
振り返ると、微笑みながらあなたは手を伸ばした。
「ねえ…またして…?その本のように…」
甘える声を出す私の主人…いや、恋人は…
この本の中にどんな夢を見たのか。
「よろしい…では、あなたの望むよう…私にお命じなさい」
そう…私は…
あなたの望むようにしか、動けないあなたの執事。
どんなにあなたが悪い人でも…離れることなんてできないんだ。
「さあ…あの本の内容を、お命じなさい」
私を…一生、縛り尽くして…
永遠に…愛せばいい
【END】