第9章 なにもかも なにもかも
戸惑い躊躇うボクに
おとーさんが続けた
「ここまで、こんな遠くまで
やって来られた おまえだ
大丈夫だよ
自分を信じて
最後の針を抜くんだ
もう封印しておくものなど
何もなくなった
ドラゴンも仲間にしよう
お前の心を
伝えてやってくれ
この世界のあらゆる命を
守ってくれと
心から願うんだ
俺も、皆も、おまえを
お前の心を信じきっているぞ
お前は今
自分を信じてくれ」
力強い言葉だった
ボクは針の前に立つ
いきを整えて
針に手をかける
どこからか
心の中に語りかける
声がした