第16章 Bird Cage
病室を出ると松兄と姉ちゃん。そして二宮が立っていた。
「おー。来てくれたんか」
包帯を巻いた方の手をおいらは3人に向かって振った。
智姉「智…!また無茶して…」
「無茶じゃねぇよ。足洗う身だから当たり前だ」
智姉「足洗うんだったら余計じゃない。昭和じゃないんだから…今はこんな事しなくても解決出来るのよ。こんな事して…『私は元極道です』って晒してるのよ」
「爺ちゃんが言った事だ。会長の命令なら仕方ない。それに…何とかなるよ」
松兄「ぼん…」
「………2人共…おいらのわがままで迷惑掛けるな。大野組…背負ってくれて感謝してる」
松兄「………ぼん…」
「ありがとう」
智姉「何言ってるの。私はこの人好きになった時からそういう覚悟はしてたわ。安心しなさい」
笑顔の姉ちゃんがおいらの頭をぽんぽんと撫でる。
「姉ちゃん…」
智姉「縁を切る訳じゃないんだから。一生大事な弟だもの。これからは…この子の良い伯父さんになってね」
「うん」
松岡「ぼん。戻りましょうか」
「あ、いや…おいらさ…寄る所があるから1人で帰るよ」
和「どちらに」
「翔くんとこだよ。だから1人で行かせて?」
松岡「………分かりました。お気をつけて」
「うん。ありがとう」
おいらは3人と別れて…病院を出た。
そしてそのまま真っ直ぐに向かった。
………松本組へ。