第85章 ♉塩辛い涙より（黒尾鉄朗）日頃の感謝を☆完結

「スイマセン」

ペコリと下げてしまった頭を

『ふふ…鉄朗…おりこうさん…』

ギュッと抱き締める姫凪

「おりこうさんって。
親父の真似かよ………」

『は？なに？』　

「なーんも…姫凪…もっと…」

姫凪の腰に腕を巻き付け
擦り寄ると

『遅れるからダァメ！
ほら！行くよ！
叔父さん送ってー！』

サラッと躱され
あっという間に甘い匂いが
離れていく

「塩っ辛いねェ…」

ため息を吐いて
姫凪を追う

相変わらずの朝　

今日も甘さ控え目過ぎで
一日が終わると思ってた