第12章 ♤キズを癒やす手（牛島若利）完結

昼休み。今日もいつもと変わらない
白布と彼女が校庭で並んで
座っていた

「あれ？姫凪ちゃん
また白布と一緒？？」

「いつも通りだろう」

そう言いながらも
確実に心は前よりも痛む
笑顔を見せるのが
俺でない事に憤る

「昨日の今日で照れてるのかな？」

「あんな事位で照れるのか？」

たかが上着で女子というのは
わからんものだ
それにしても。昨日感じた
身体の疼きは
なんだったんだ？

今、白布と居る彼女には
嫉妬はしても疼きはない
笑顔を見ているのは同じなのに
何故昨日だけ……