• テキストサイズ

きさらぎ駅

第3章 千春の場合


「はあ、遅くなっちゃった」
同時刻、千春は夏希とは違う電車ではあるが、同じ種類の電車に乗っていた。
千春もまた、夏希と同じように帰りが遅くなってしまっていた。
「まさか、クラブの歓迎会があそこまで長引くなんて・・・」
千春の入っているクラブはコーラス部である。
そのコーラス部に新しく部員が入ってきたため、今日歓迎会が行われた。
その歓迎会が思っていたよりも長引いたため、帰りが遅くなってしまったのだった。
千春がケータイの時間を確認する。
時間は、夜中の十時を指していた。
千春は、ルームメイトの友人に遅くなると電話を掛けようとし、そのままケータイを開いた。
そして、異変に気づいた。
「あれ?誰もいない」
気がつくと、同じ車両内に人が一人もいなかった。
時計を見るまでは人がいたにも関わらず、今はいなくなっている。
キョロキョロと辺りを見回すが、やはり人の気配はない。
千春の顔色が、だんだん悪くなる。
「もしかして、また巻き込まれちゃったの……?」
千春はよく怪奇現象に巻き込まれてしまう体質だった。
一昨日もヒキコさんに追いかけられたばかりである。
ルームメイトの友人にも、「あんた、ほんっとうにホイホイだなwいくらなんでも頻繁すぎるだろ?狙われるのww」とばかにされていた。
「どうしよう。電話、繋がるかなぁ・・・」
泣きそうになりながら、千春は友人に電話を掛ける。
少しの間待っていると、奇跡的に友人に繋がった。
『うぃっす。どしたし?』
「も、もしもし!?あのね、私、わた、し・・・っっ」
友人の声を聞いたことにより、泣きそうになる千春。
その涙声だけで、友人は異変を感じ取ったらしい。
『・・・経緯詳しく』
「うん、あのね?今日部活の歓迎会があったんだけど・・・。今その帰りでね?まだ駅に着かなくって、しかも人が。私以外の人が、いなく、なって・・・ひっく」
『分かったから泣くなって。心配すんな。とりあえず、オカルト掲示板っていうサイトを探せ。そこのおれの名前が書かれてるスレッド探せ。で、そこのチャットに入って助け求めろ。知り合いにプロがいるから、そいつとチャットのやつに頼れ。・・・電気がもったいないから、もうかけてきたらダメだぞ?それから、お守りはなくさないでちゃんと持っとけよ。じゃあな』
プツンという音と共に、電話が切られる。
/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp