第4章 離さない、教えてあげる。
拷問部屋を出て、まっすぐダイニングへと向かう。
ダイニングに入ると、対象はないものの、電源の切られていないローターは振動してた。
ハヤトは電源を切り、ローターを拾いあげる。
ローターは、長く置かれていた為、蜜が固まり、剥がすとベリッと音を立てた。
蜜は白く固まり、床に跡を残す。
ハヤトは跡を見ながら、ある事を思いつく。
そして、ニヤリと笑い、ダイニングを後にする。
左側にある、先程の拷問部屋には戻らず、階段の方向に歩き始める。
階段の前には黒井の姿があった。
「失礼いたします。
ハヤト様伺いしたいのですが…。」
「どうした?」
黒井は眉をひそめ、申し訳なさそうに質問をする。
「先程、お皿を落す醜態を犯した物が、掃除の時間ですが、戻ってこないのです。お姿を見かけてないですか?」
「見てないな。」
「失礼いたしました。
見つけたら、罰を与えないと…。」
黒井は呟き広い屋敷の1階を再び探し回る。
拷問部屋で監禁されているとも知らずに。いくら探そうと見つかる筈はないのに。とハヤトは滑稽だと思いながら、階段を上る。
ハヤトは3階の自分の部屋に入ると、ある物を手にして拷問部屋に戻った。
ギイ
「ぁ…。」
扉を開けた途端、牡丹の漏らした声をハヤトは聞き逃さなかった。