第2章 平気
「おはよ!カラ松兄さん!」
なっ……一松!?
「一松どうしたんだ!?」
いつもの一松は根暗でクソ松と呼ぶのに。
「今日はどうしたんだ?やけに素直だな、まるで十四松みたいだ」
「俺十四松だけど?」
「ん?紫のパーカーは一松だろう」
「俺のパーカー破れたから一松兄さんに借りてるの!」
そういや、一松はまだ二階で寝ていた。
起こしたら殺されるから起こすのは避けたけど。
今一松のパーカーを来た十四松がはしゃいで、
意外にも裁縫ができるチョロ松が十四松のパーカーを縫い直している。
「カラ松~お前兄弟の見分けぐらいつけよな~」
と、一人ゲラゲラと笑う兄貴。
「クソ松」
「あぁ、一松、グッモーニング」
「朝からやめろ、マジイタイ」
「一松兄さん、カラ松兄さん、朝から喧嘩は止めてね」
と、スマホをいじりながら注意する末っ子。
いつもと変わらない日常。
その日常がやけに違和感があった。
爪先に痛みを感じた。