第3章 血祭りの真似事
紫原との戦いを放棄し、昴輝と彰の所に向かう結紀だった。その時、途中で他の狼族に出会ってしまった。
2、3人の狼達は結紀を睨むように見る。しかし、それを気にせずに前に突き進む結紀は、狼達に向かって叫ぶ。
「どけッ!トロいと餌になるだけだッ!」
「っ!?」
狼達は、声を挙げる前に結紀は、両手の爪を長くし狼達を斬り裂いてしまった。勿論、血も吸収してしまう。
これは、もしもの時に使う為にとっておくのだ。その場に倒れてしまった狼達。その様子を見ていた人物が早川だった。
だけど、早川の足では結紀には追い付けなかった。
「アイツ、なんだぁぁ!?」
早川は、それだけを声を挙げていたのだ。結紀は、完全に気配を消して昴輝と彰の居場所に着き様子を見る。
結紀は、青峰に完全に狙いを定める。青峰達は、まだ結紀には気づかない。すると、霧渓は昴輝に質問をする。
「ところで、吸血鬼達(君達)の頭首は誰だい?」
そう、霧渓は吸血鬼の頭首が誰なのか気になっていた為、昴輝に質問をしたのだ。しかし、そう簡単に教えるわけでもない。
「そう、簡単に………教える、わけ、がない…だろ…。」
昴輝は、途切れ途切れに言う。その反応から霧渓は、そうか…と呟いていた。それと同時に、昴輝の首を掴んでいる青峰の手が段々と力が強くなっていく。
昴輝の表情がどんどんと歪んでいく。それを見ていた結紀が、右脚に力を入れて青峰に一気に飛び掛かる。