第4章 アルコスの村
出会った時にはあんなにクールな印象だ
ったのが全然、マメで優しくてそして
心配性で不器用なところばかりだ。
ーなんか幸せだな…ー
そんなことを思いながら松本を見ている
と、まだ何か言っている。
大『…好きだよ。』
松『え? …今 好きって』
ブツブツと言いながらも朝食を片付け
に行こうとする後ろから、小さくつぶ
やくとすぐに振り返って近づいてくる。
大『そんなこと言ってないし。』
松『え~? 今絶対言ったでしょ。』
そう言って松本がすねたように
また行こうとする。
大『愛してるって言ったんだよ。』
また後ろから、そうつぶやくように言
うと静かに食器を下ろして俺に向かっ
て飛びついてきた。
松『ちょっと…もう 何なんですか?』
大『別に? ただの仕返し…みたいな。』
そう言うと俺は、ニヒヒと笑った。
******