第31章 代表決定戦2日目〜因縁の対決〜
2セット目も取ったり取られたりしている。
「狂犬ちゃん!」
及川の声で背番号16番が走り出す。
ネットのほぼ真横から助走をする。
ずばぁぁぁん
ネット右端から左端ギリギリをボールが跳ねる。
インナースパイク。
それもものすごくネットに近い。
なんだこの子…
その後も攻撃が決まる。
気のせいじゃない。
青城の攻撃のリズムが変わってきている。
ばちっ
どこからか射るような視線を感じる。
それを追うと
青城コート。
及川くんが私の瞳を見透かすように見つめていた。
「俺たちは負けないよ」
そう言うかのようにゆるりと口元を歪め
笑った
ように見えた。