第31章 代表決定戦2日目〜因縁の対決〜
私は烏野のみんなと一緒にコートに入った。
試合前のアップ中は許可をもらっているのでコートにいるみんなに向けてカメラを構える。
隙を見て及川君がちゃっかりピースでカメラに写りに来るし…
記念撮影してるんじゃないんだからやめて!
ため息をつきながら写真を撮っていると足元にボールが転がってくる。
ボールを手に取ると近づいてきたのは青城の6番の子。
『どうぞ?』
手に取ったボールを手渡した。
「ありがとうございます。あなたは…烏野の…」
『わたし、烏野を取材中なんです。椎名と申します。』
営業スマイルで自己紹介をすると青城の6番の子はなぜか私の手を握ってくる。
あの…ボール落ちたけど…
「矢巾秀(やはばしげる)です。 今度デー「何こんなところでナンパしてるんですか?」
あ、蛍くん。
いつの間にか後ろにいた蛍君に肩を抱かれる。
「口説くんだったら試合に勝ってからにしてくださいね?
エリートさん?」
にやりと笑った顔が怖い。
私はそのまま肩を抱かれ烏野コート側に連れて行かれる。
「清水先輩。この人見張っててください。ちょろちょろされると落ち着かないんで…」
そう言われ私はベンチ近くに置いてかれた。
そこまで心配しなくても…
ーーーーーー
「試合が始まるので選手の皆さん、関係者以外はコートから退出してください。」
アナウンスが流れたので、私は仁花ちゃんと一緒に体育館から出る。
ふと体育館の入り口で振り返ると蛍くんと目があった。
拳で自分の胸を叩くと蛍君も自分の拳を胸に当てた。
大丈夫。
信じてるよ?