第1章 プロローグ
ある日ボクは生まれた。
大きく分厚い雲が幾重にも重なりあい、繭のようなものになって、その中からボクが生まれたのだと、如来が言っていた。
それは、とても不可思議なことで……あり得ないのだと……。
だからこそ、ボクは異端であり、天が生み出した妖怪にも人間にも天界人のもなれぬ、半端者なのだと……。
最初は怖かった……。
邪魔者だと……化け物だと言われることが……。
けれど、もう怖くない。
だって、皆が……家族がいるんだから……!
ボクは、どんなにつらくても……死にたいくらい苦しいことがあっても、君たちがいてくれるなら、きっと生きていけると思うんだ……。