第6章 きみどりscene3
「ちょっと智!起きて!」
「ふぁっ!?」
いつの間にか寝てた…
時計をみたら10時になってた。
「いつまで寝てんのよ…もう…」
当然、かずはぷりぷり怒ってて。
あてつけのように、俺が起きてもゲームばかりしてる。
「かーず…いい加減、機嫌なおそ?」
「別に。機嫌悪くなんかないもん」
ブランケットにくるまって、微動だにしない…
当て付け以外のなんだってんだよ…
しょうがないから、部屋の隅に隠してた小さな紙袋を目の前にぶら下げてみた。
「…なによ」
「いいから…開けてみ?」
俺の顔をじーっと見てから、紙袋をこわごわ開ける。
中からリングボックスが出てくる。
開けると、お揃いの指輪。
「え…」
「こういうの、嫌?」
「え…これ…」
「ん…俺たちで着けるんだよ?」
そういうと、ソファの後ろから一個取って、和也の左手の薬指に着けた。
「え…マジで…?」
「ん。ほら、着けて?」
かずは、残った指輪を取ると、俺の左手の薬指に着けてくれた。
「わ…」
「ん。サイズぴったりだったな」
「あ、りがと…」
そういうとそっぽを向いた。
照れてる…