第1章 憂鬱、混乱、そして出逢い
案の定軽蔑したような顔で私を見て、美青年はタバコを一本取り出し
火を付けようとライターを手にした。
…!?
「まっ、マヨネーズ…?」
美青年が手にしたライターはマヨネーズだった。
あまりにもずば抜けたセンスだったから
聞こえるか聞こえないか位だが口に出していたらしい。
?「お前もマヨネーズ好きなのか?」
「え、いや、好きというか、まあ調味料として使う程度には…。」
そうか。と、少し残念そうに美青年は言った。
?「それはそうと、お前は道に迷った時
何処かで足をすべらせて木で頭でも打ったか?
平成って何だよ。今は江戸だろ?本当に大丈夫か?」
え?江戸?江戸ってあの江戸?
余計に意味がわからない。私は酷く混乱した。
しかも別の理由で頭おかしい人になってるし。
確かにどこかで頭はぶつけたかもしれないけど。
必死に考えるもこの状況に頭がついていかない。
そのせいか、さっきまで和らいでいた目眩が再び私を襲い、そこで私の意識は途切れた。