【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>
第7章 ~三成~
三成「・・・ん」
何も纏わない自分の身体が布団に包まれている。
脱ぎ捨てた着物はきちんと畳まれていた。
腕の中にいたはずのなおは、そこに居ない。
温もりすら残っていなかった。
なおを止めどなく求め、何度も果て、気を失うように眠ってしまった。
空は白み始め、新しい一日が始まろうとしている。
抜け殻のような身体を起こし、着物を纏うと、三成は部屋を後にした。
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三成「お話があるのですが、少しよろしいですか」
光秀の部屋を訪ねると、
光秀「どうした、戦にでも行くような顔をして」
中へと通される。
光秀「俺もお前に話があったのだが、探す手間が省けたな」
光秀の正面に腰を下ろした三成が、居住まいを正す。
膝の上に置いた拳に力を入れ、光秀を見据えると、
三成「私は、なお様をお慕いしています」
そうはっきり告げた。
三成「例え誰が相手でも、・・・光秀様でも、一歩も引く気はありません」
光秀「昨日安土に戻った後なおの姿をそれきり見なかったが、あいつと会って、話をしたか?」
三成「・・・いいえ」
嘘ではない。話はしなかった。ただ一方的になおを・・・
光秀「俺がなおに口づけしたのをお前は見ていただろう。その後どうなったか知りたくはないか?」
三成「それは・・・」
ふう、とため息を一つつき、光秀はわざとらしい程に顔を歪ませる。
光秀「『好きな人がいる』 だそうだ」
三成「え・・・」
光秀「そんなことはこの俺も、それどころか、この城にいる奴全員が知っている」
一瞬にして三成が混乱に陥る。
好きな人
全員が、知って・・・?
光秀「なお曰く、相手は安土一鈍い男だとか。今の良好な関係が維持できるなら、そいつが自分の想いに気付かなくても構わないと言っていた。欲のない女だな」
三成「それは・・・」
光秀「好きな男に別の男との口づけを見られて、今頃なおの小さな頭の中は滅茶苦茶だろう」
面白そうだから見に行くか、と立ち上がろうとする光秀を制し、
三成「失礼いたします」
光秀の部屋を飛び出す。
秀吉「おい三成!廊下を走るな!」
全速力でなおの部屋へと向かった。