第7章 暮れる夕日
夕暮れ時の坂を下る
隣には彼が肩を並べて歩いている
「ねぇ・・・」
最初に声をかけたのは私だ
「なに?」
ぽけっとした顔でこっちの様子を伺う
「ずっとこのまんまなのかな・・・」
「「・・・・・・。」」
彼と私の間にしばらく沈黙が続く
「・・・別れようか」
そう切り出したのは彼だった
「・・・うん」
もうわかっていたことだった
「でも、おまえの事忘れないから・・・初めて名前を呼んだ人だからさ」
「え・・・」
思いもよらない言葉に、私はただ茫然としていた
「いいやつ見つけて幸福になれよ」
それが私と彼の最後の会話だった
暮れる夕日
END