第52章 初恋苦し（北信介）完結

お前には俺が
冷静に見えてるんか？
セッターのくせに
何を見とるんや

ソワソワしてしゃあない
ホンマは今すぐにでも
走って行きたいに
決まってるやろ

昨日の"もうエエ"の意味も
俺を睨んだあの目の意味も
布施の口から聞きたい

そして俺からも
チャント言いたい

お前が好きや…って。
ずっとずっと
好きやったって。

でも、やっぱり俺は

「北さん？」

「行くぞ侑。
サボった分取り戻してからやないと
行くに行けんやろ」

俺やから。

曲げられへん所は曲げられへん

そんな俺を
アイツはいつも
見ててくれたはずやから。

「おい、お前が調子崩して
どないすんねん」

戻った後も
不調続きの侑と

「だからなんで
北さんがそんな冷静なんスか！
腹立つ！」

「日頃の鍛錬のちがいちゃうか？
このままやと
また説教やんか
チャントしてくれや
俺ケツあんねんから」

変にテンション上がって
饒舌になってまう俺