第52章 初恋苦し（北信介）完結

それでも俺は
この子が好きやねんから

ズキズキする事くらい
屁でもないやんけ

「信介…二人で行くんか？」

「ちゃうんか？」

「いや、流れ的には
そやろけど…
二人切りとか…
色々オトコノコ的にやな…
ヤバないん？」

アランがコソコソ
俺に耳打つ意味が分からん

「婆ちゃんと飯食いに行くんも
いつも二人切りやで？
それと何が違うねん？？」

「婆ちゃんて…オマエ…」

呆れ顔のアランを残し

布施と放課後の町を歩く

『ほんでね、北さん！
侑のお弁当
実は治のやったみたいでね
すごい剣幕で乗り込んで来て
喧嘩なって
それで侑が北さんのトコに…』

「あぁ、それで昼休み早々
あない騒がしかったんやな
なんでチャント確認して
鞄入れんかったんやろな
要らん喧嘩増えるだけやのに」

『そうでしょ！
せやから明日から
侑には私がお弁当作って行くよって
言うたんです！
…せやのに…
"要らんわ、ブタ"って…
酷ないですか！？』