第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

全くよぉ…

「良い所掻っ攫ってくなっつの。
今日こそは
ビシッとキメるつもりだったのに

ずっとお前が好きだった
…ってな」

悔しいのに
顔が緩んで仕方ねぇよ

『…え？ウソ？』

「ウソで良いのかよ」

『それは無理！
無理…だけど…信じられ、なくて…』

涙目の姫凪が
しがみつく腕の力を強めて来る

"信じられない"と震える声に
胸がズキンと疼く
そうさせたのは俺だ

今感じた俺の胸の痛みより
きっと姫凪は
ずっとずっと痛い想いを
させて来たんだ

だから、今日は
今日からはもう

「もっと早くに
チャント伝えてりゃ良かったって
何回も思って後悔した…
お前が好き過ぎて…言葉より先に
身体が動いてた…スマン

姫凪、俺はお前が
お前だけが好きだ
ただの友達でも
ただのクラスメイトでもなくて
女としてお前が好きだから
お前に触れたかった…
今も…触れたい」

痛い思いも
辛い思いもさせない。