第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

好きだ、なんて
付き合ってくれ、だなんて
聞いてないけど

「はじめちゃんって優しいよね
よく…言われるでしょ…」

「は？誰が言うんだよ
そんな事。
オマエくらいじゃね？
…姫凪にしか、しねぇし…」

『そ、それってさ！
あの…』

「嫌か？
俺には、こういうの
あんま似合わねぇかもな」

そんなの無くても
良いって思っちゃう

だって、もし…
私はアナタのナニ？とか
無理に問い詰めて

『そんな事ないよ！
嬉しいよ…』

私を煩わしく思ってしまったら

「…オマエがそう言うなら
似合わなくても、まぁ良っかもな
で、続きは？
お預け…じゃねぇべや？」

この関係さえ
無かった事になってしまったらと思ったら

『…うん、お預けじゃ…ないよ』

「良かった。
嫌がられても止まんなかったけど…な」

『嫌がらないよ…』

言葉に出来ない

さっき奮い立たせた勇気は
臆病風に吹き飛ばされ

はじめちゃんのキスに
また溶かされてしまった