第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

それより今日からしばらく
暴飲暴食を反省して
慎ましい食生活をしたいと
告げようとした刹那

「姫凪、大丈夫か？」

まさかの声が背中にぶつかる

『はじめちゃん！？』

「お、おう…なんだよ…
俺以外に見えんのかよ」

『いや、そういうわけじゃなくて…』

見えない、見えないけど！
なんで、はじめちゃんが
私の家の前に居るかって事であって…

『どうしたの？』

「お前が早退したって
聞いたから…その…見舞い」

はじめちゃんの手が
スッと伸びて来て

「思ったより顔色悪くねぇな
…なんか甘い匂いもしねぇ？」

私の頭をグッと引き寄せた

制汗スプレーの香りが
急に近くなって
私の心臓の音が聞こえてしまいそうで

『ひゃあ！
あ、の！お菓子作りを…してたから
その匂い…！
はじめちゃんも、どう？
せっかく来てくれたしコーヒーでも…』

思いっ切り
はじめちゃんと距離を取る

そうだ！これはきっとチャンスだ
ここでハッキリしないと！
チャント聞くんだ。