第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

『チョット花巻…遊ぶって…
それはまた話が変わって来るんじゃ…』

「…そうでもしないと
忘れられそうにねぇもん
…なーんてな！
チョット心配させてやろうと
思っただけー！
ほら、サッサ帰って整腸剤でも飲んで
ユックリしとけって！
夕方押し掛けるから
チャント起きててよ」

そう言って笑う花巻の顔は
本気なのか冗談なのか
分からなかった
ただツッコんでくれるなと
言ってるようで

『…甘いの好きなんだっけ？
作って待ってるから
早く来てよね
遅かったら家に入れないよ』

私はそれ以上聞けなかった

家に帰って少し寝て
引っ張り出したお菓子の本を
睨みつけながら焼いた
ケーキは少し焦げた味がして
大して美味しくなかったけど

部活終わりの花巻のお腹は
満たせたようで

「マジで美味かった！
姫凪ちゃんて
やっぱり器用だな！
俺の彼女の条件はメシウマで
決定だわ～
誰か居ねぇ？
姫凪ちゃんの友達の
フリーな料理上手！」

昼間の辛そうな表情は
もう見えなかった