第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

こぼれてしまった言葉に
唇を噛む私を見て

「…あぁぁ…自分の小狡さが
マジで嫌になる…
ごめん、スゲェ嫌な事言って…
姫凪ちゃんが気にしてるのも
分かってたのに
…岩泉を想うのを
もう嫌だって思ってくれたら…とか
魔が差した…カッコ悪ぃ…」

ピンク色の頭をガシガシかきながら
何度も"ゴメン"と頭を下げる花巻

『ううん、チャント聞けなかったのは
結局私が弱いからだし
花巻は悪くないよ…
次、はじめちゃんと会ったら
チャント話そう…と思う。
もう答えはほぼ出てるけど
どうせ諦めるなら
本人からチャント振られたいし！』

あの子達との会話
松川くんとの会話
両方聞いてしまって
望みは限りなくゼロに近い

彼女になれなくても
仲良く出来るなら
聞かないままでも良いと
思う気持ちも無くはない
でも、また求められても断る事は
きっと出来ないから
"それだけの関係"を受け入れるには
私の気持ちは重過ぎるから

強くならなきゃ、ね。