第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

そして松川くんの問う声に

「は？お前もそれかよ
なんなんだ、一体。
姫凪は…友達だろうが
分けわかんねぇ事言ってねぇで
サッサと戻るぞ」

きっと同じ様に応えるって
分かってしまったから。

「布施さん？」

『…あの、早退しても良いですか？
やっぱり気分が悪くて…』

「それは大丈夫だけど
念の為に早目に病院行きなさいね？」

『はい、分かりました』

この傷に効く薬があれば
どんなに高くても
買いたいけど
そんな薬はないもんね

時間が経てば
諦められれば
そんな事くらいでしか
この痛みを消す方法が
浮かばないよ

先生のはからいで
クラス委員に
荷物を持って来て貰い
あの子達の陰口は聞かずに
学校を出られたけど
耳にこびりついて離れない
"自惚れ"の言葉。

唇に触れたら
さっきの感覚が蘇るのに
ドキドキしてたあの気持ちも
すぐに思い出せるのに

はじめちゃんの顔を思い出そうとすると
胸が痛くなって
ストップがかかる