第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

『そ、そんなのまだ！』

「キスはしたんでしょ？」

『なんでそれを…』

「…したんだ…へーぇ」

『いや、だからぁ！』

「で？アンタは【彼女】なの？」

見事にペースを持っていかれる
浮いた話に縁のない私。

『え、だから、それは…』

「…ふーん、違うわけね？
岩泉もあんな感じで
遊んでんだね
付き合ってもないのに
そんな事アッサリするなんてさ」

「ホーント、私らも
遊んで貰おうかな～
良いよね？」

良いわけないけど

「布施さんは
彼女じゃないもんね？」

そう言われたら
何も言い返せないじゃない…。

「良いみたいだし
私らもアンタと同じく
好き勝手やらせて貰うから
じゃあね～」

「良かったー
岩泉がフリーで！」

笑いながら去って行く二人に
言い返せなかった
自分が悔しい
だって、言えないもん
言われてないもん

"彼女だ"なんて。

午前の授業は
終始上の空のまま
終わってしまい

「姫凪、行くぞ
って、弁当それだけ？
足りねぇだろ…絶対」

来てしまった昼休み