第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

『え！？岩泉くんが！？
なにかな！？』

「何って言われても…」

ボトル返して終わり…だろ。
なのに

『あ、もしかして
松川くんの悪ふざけ…』

「いや！そうじゃねぇ！
とりあえずコッチ…来い！」

何連れ出してんだ俺のボケェ…

布施の手を握って
教室から引っ張り出して

…どこ行くんだよ！
コッチってドッチだよ！

とりあえず何か見られてるから
どこか人目に付かねぇ所
ってどこだ？

『どこ行く…の？』

そんなの俺が教えて欲しい

「…黙って付いて来いって」

頼む、落ち着いけ俺
必死に考えてんだから
なんか思い付け！

足は動くのに頭は動かない

キョロキョロする俺の目に
階段が映る
あ、あそこなら…

「コッチ」

足を進めて階段を上がり
屋上に続くドアを開けると
及川達といつも眺める
光景が広がり
テンパってた気持ちが少し緩む

『岩泉…くん、あの…』

「あぁ、ここなら
人が居ねぇから
騒がしくねぇだろ？」