第49章 煙の向こう側に笑みを（白布賢二郎）

これは天童さんに
死ぬ程イジラレて苛められるヤツ…と
思いきや

「そのアイツって誰サ？
賢二郎が部屋にあげるって
それなりの関係じゃね？」

低いトーンのまま
俺を問い詰める天童さん

その後ろには
ソワソワ不安顔してる姫凪

なるほどな。
ここでハッキリさせて行けってか？
…ったく。
こんな短時間で天童さんにまで
懐かれてんじゃねぇっつの。

なんか色々シャクだけど

「元カノ…ですよ
上げたわけじゃなくて…ですね…
その…姫凪（コイツ）が
帰ってくると思って
開けて待ってたら…勝手に…」

言わないときっと天童さんは
納得しねぇし

『…追い返せば良いじゃん！
なんであんな密着して…
それに！女の人の服！
乱れてた！
やっぱりエッチな事したんだー！』

コイツはコイツで
テコでも動きそうにねぇもんな…

涙目で威嚇する様に叫ぶ姫凪が

『私がオコチャマだから？
大人にしてくれるって言うから
…楽しみにしてたのにさ…
それなのに他の人で満足するとか
白布さんのバカ…！！』

暴走モードのギアを上げていく