第49章 煙の向こう側に笑みを（白布賢二郎）

賢二郎の口から
こんなセリフが出るなんて
思ってもみなかった

ウザがるどころか
メチャクチャ真面目に
馬鹿正直に応えてるし

「…お前だけだって
何回言ったと思ってんだよ
忘れてんのか？このトリ頭」

必死に悪ぶってるけど

『あのツーショットで忘れた…
思い出させてよ、白布さん
連れて帰って…お願い』

「なっ！オマエ…なぁ！
場面考えろ！
こんな所で甘えてくんなし！
抱き締めたく…なりそうに
ならなくもない…あー！クソッ！
このバカオンナ！！」

全然ダメダメのデレデレで
見てるこっちが恥ずかしくなる程
浮ついてるヨ

ま、真相も大体予想通りで
安心したし
そろそろ可燃剤投下して
追い払うとしますかネ～

「てか、俺の部屋で
イチャつかれても困るんだけどーー？
ほら、その服と下着あげるから
大好きな初恋の人賢二郎を
ノックアウトしてきなヨ」

姫凪チャンの背中をパシンと叩き
ニヤニヤと笑ってみせる
この格好で自分が
初恋の人って知ったら
賢二郎ドンギマリでショ！