第43章 あの日、あの時、この場所で（白布賢二郎）生誕記念　完結

近くのコンビニに移動中

『あのー…白鳥沢って
どこですか？』

小さな人影に声を掛けられた
振り返ると幼い女の子
薄っすらかいた汗と
焦った顔

「迷子？」

『うん…お兄ちゃんに
駅からの道聞いて
大丈夫だと思って歩いてたら
なんか迷いました…』

素直に頷き俺を見上げ
助けを求める目

『白鳥沢連れてって…』

甘えた声でジャージの裾を握る
小さな手

「うぐ…分かったから…
チョット待ってろ
コンビニに用事あるから」

小さな依頼を断れるはずもなく
仕方なく頷き
コンビニに入る

適当にカゴに入れる
パンや飲み物
その手元に

『…美味しそう…』

感じる視線。

「…腹減り？」

『うん…いえ！全然！
大丈夫です！後でお兄ちゃんに
お菓子買って貰うし…！
なのでお構い無く…』

いや…
ヨダレ垂らしそうな顔してんじゃんよ…

「オニギリとサンドウィッチどっち？」

俺も子供には甘いんだな…