第42章 勝負はコレカラ？（川西太一）生誕記念　完結

「そうかよ、とりあえず…」

『これから宜しくね！川西くん』

「…おう。姫凪…ちゃん」

うまく行ったのに惨敗感が
半端ねえ。

呼び捨ても出来ない
名前呼びもして貰えないまんま
タクシーに乗り込み
まだたまに気分の悪そうな
姫凪ちゃんの背中を擦る

「大丈夫かよ？
無理し過ぎじゃね？
甘いの苦手なくせに…」

『うん…でも
あの時は夢中で…
あ、ここで大丈夫。
そこのマンションだから』

タクシーが止まり
俺のそばから離れる温もり

「あの、姫凪ちゃん…」

『おやすみ！また明日ね！』

アッサリ過ぎるバイバイを合図に
発車したタクシーの揺られ

意気地なしを痛感する

家の前まで送って
一人で帰宅って！