第30章 ♤手を叩こう（花巻貴大）完結

足を止め俯く顔を下から
覗き込んで
ヨシヨシと頭を撫でる

『花巻さん！ありがとうございます！
なんかお兄ちゃんが出来たみたいで
すごく嬉しいです！』

パァァと晴れる顔に

「ハハッ！兄貴かよ！
ま、嬉しいならいっかな？
ほら。兄ちゃん立ち上がらせて？」

手を伸ばして
引き上げてもらう

兄貴って。
格が上がったのか下がったのか
相変わらず
恋の気配の薄い夕暮れの道を

兄妹（仮）で歩いた。