第16章 ♧心を溶かす魔法（木兎光太郎）

赤葦side

「最後は完全に惚気だったな…」

黒尾さんが苦笑いを浮かべながら
上機嫌で話し終えた
木兎さんを見ながら呟く

「まぁ、そうですね。
81回目も無事終わりましたね」

「ハハッ！赤葦も大変だな！
…ところで…察するに…
木兎と布施ちゃんは
ポシャったんだろ？」

「お互いに気持ちと
未練は残してますがね…
木兎さんに至っては
全国で大阪弁の女子見る度に
浮かれたり凹んだりで
かなり困ってます…」

重ねても重ならない
人の面影を探す姿を見ると
俺も心が痛いです