第16章 ♧心を溶かす魔法（木兎光太郎）

夢なんか…
見たらまた…痛くなるやろ………

『いや…期待なんかしたない…
夢なんかみたくない……
思い出だけで…十…分やもん』

「可愛いないなぁ…
夢なんか見んでいい
ただオレを信じて
ここで待っとけ
その涙、止めたるから」

アユミの手は
私と同じくらい冷たい

さっきよりも涙は勢い良く流れる

でも悲しいだけじゃない
もしかして、なんて。
頭の隅に浮かんでる