第16章 Forever Love
雅紀「今までお世話になりました」
看護師「お大事になさって下さいね」
雅紀「はい」
「ありがとうございました」
雅紀父「失礼します」
見送りに来てくれた先生や看護師さん達に頭を下げて俺達は病院を後にした。
目覚めた後、雅紀は尋常じゃない程の回復力を見せ、あっという間に退院の日を迎えた。
雅紀「はーやっと家に帰れる~♪」
雅紀父「無茶はするなよ。抜糸は済んだけど刺された傷は完治してないんだから」
雅紀「分かってるって。やっと翔と一緒に居られるから嬉しいんだよ」
「もう雅紀…」
雅紀「ははっ、ノロケか」
お義父さんの運転する車で、俺達はようやく、我が家へと辿り着いた。
でも…あの日から俺はあのマンションに入ってない。
あの事件を思い出しそうで怖かった。
雅紀は無事だった。でも…あの日、あの瞬間、目の前から消えていく雅紀…。
思い出すと…怖い。
雅紀父「翔くん…無理せずにまだうちにいても良いんだよ」
雅紀「俺も…翔が怖いなら…」
「………平気です。いや…平気じゃなくても…乗り越えないといけないから。雅紀が居れば…乗り越えられます」
雅紀父「そうか…分かった」
雅紀「ありがとう父ちゃん」
雅紀父「ちょっと残念だな。翔くんがうちに居たら華やかと言うか…美人が居ると楽しいよな」
雅紀「父ちゃん翔は俺んだからな」
雅紀父「分かってるって。美人のお嫁さんが居ると嬉しいんだよ」
「またお邪魔します」
雅紀「いつでもおいで」
そんな会話をしている内に…俺達は自宅に到着したのだった。