第13章 帰って来た男
翔「………正確には…舞の父親。俺とは血の繋がりはない。母さんの…再婚相手で…」
ソファーに隣り合って座り、翔は俺の胸に身体を預けたまま語り出した。
「だから舞ちゃんと歳離れてんだ…」
翔「うん。母さんは…俺をハタチの時に産んだんだ。でも…父さんは俺が産まれる前に亡くなって…。ずっと2人で生活してた。でも中学生の時…あいつが現れたんだ…」
「………」
翔「最初は…優しかった。俺も大好きで…母さんも幸せだしこれで良かったんだって…でも…」
震える翔の身体を俺は抱き締める。
「大丈夫。ゆっくりでいいよ。大丈夫だから」
翔「でもあの日…あの日から…俺達の生活が…変わったんだ…」
15年前…母さんが死んだ…あの日から…。