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Starlight Kiss【気象系BL小説】

第13章 帰って来た男


ー雅紀sideー


翔「はい雅紀」


「ありがとー。あー今日忙しかったなー」


雅紀母「本当ねぇ」


店のお昼休み。
テーブルに置かれたまかないを取り分けながら俺達はいつもより20分遅れで店を閉める事が出来た。


雅紀弟「今日翔兄ちゃんのファンの人多かったよね」


翔「そう?」


雅紀母「そうねー。売り上げ伸びたのも翔くんが来てくれてからだもんね」


「そうなんだよな。翔が愛想いいのも問題なんだよな…俺のもんだって知ってる人のが多いってのに」


雅紀弟「兄ちゃん嫉妬?」


「うっさい!」


翔「まぁまぁ」


こんな他愛もない会話をしながら休憩時間は過ぎていく。


食事の後は思い思いに過ごしてる。
もちろん俺は翔の隣で…膝枕で昼寝。翔は新聞読んだり本を読んだりするのが日課。


今日も…いつもと変わらない日常が過ぎていく…
筈だった。


夕方の準備まで20分程。
そんな時だった。


翔「雅紀お茶飲む?」


「んー飲む…」


翔「入れてくるね」


眠っていた頭を覚醒させながら俺は起き上がる。
翔はそのままキッチンへと消えた。


ガラガラと入口が開く音と共に…見慣れない男性が入って来る。


雅紀父「すみません。開店は16時からなんですが…」


男「………」


キョロキョロと店内を見回しながら中に入って来る。


無精髭の…お世辞でも清潔とは言えない風貌。
誰だ…?


雅紀母「あの…」


男「あ、すみません。ここに櫻井翔が居ると聞いて来たのですが…」


「翔…?」


俺は思わず立ち上がった。


男「はい。歳は30で…女顔の…」


雅紀父「確かにうちに居ますが…えっと…」


男「あ、申し遅れました…私…「何しに来た!?」」


男性の言葉を遮る様に怒鳴り声がキッチンから響いた。


そこに居る全員が…驚いて声のした方を振り返る。


男「翔…!」


嬉しそうに目を輝かせるその人とは真逆に…キッチンの入口には…真っ青な顔をした翔が…身体を震わせて睨み付けていた。


男「探したんだよ翔…元気にしてたか?」


翔「帰れ…帰れよ!!帰れ!!」


「ちょっ…翔?」


俺を含め…初めて見る翔の態度に全員が驚いて言葉を失っていた。
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