第12章 選択の時
ー翔sideー
雅紀母「お帰り。翔くんいらっしゃい。待ってたわよ」
実家の玄関を開くと、お義母さんが俺達を出迎えてくれた。
雅紀「ただいま」
「お久し振りです。すみません…暫くお世話になります」
雅紀母「いいのよ気にしないで?」
そう言うと、お義母さんは雅紀が抱っこしてる舞を覗き込んだ。
雅紀母「初めまして。貴女が…舞ちゃん?」
舞「………初めまして。櫻井舞…です」
雅紀母「可愛い。翔くんそっくりね」
「よく言われます」
雅紀母「上がって?お父さんも祐輔も居るのよ?」
雅紀「皆揃ってんの?」
雅紀母「そうよ。さ、おいで」
雅紀を促しながら母ちゃんは奥へと引っ込む。
雅紀が家に上がり、その後に俺が続いた。
雅紀父「いらっしゃい」
リビングのソファーに腰掛けていた2人が立ち上がる。
雅紀弟「こんにちは」
「こんにちは、初めまして。櫻井翔と言います。突然お邪魔して…すみません」
舞「櫻井…舞です」
雅紀父「どうぞ座って」
「はい」
そして俺は雅紀から舞を預り、ソファーに座る。隣には雅紀が座った。
雅紀父「母さんからある程度は聞いてる。男性だって聞いて…正直戸惑ったよ」
「………はい…」
雅紀父「でも…雅紀が好きになった相手だから…勿論私も受け入れるよ。それに…こんな綺麗な人だとは驚いたよ。さすが息子だ」
「そんな…」
雅紀「父ちゃんからかうなよ」
雅紀父「すまん。それより…ちょっと大事な話がしたいんだ」
雅紀「何?」
するとお義父さんの隣に座っていた雅紀の弟、祐輔くんが立ち上がり、舞の元にやって来る。
雅紀弟「舞ちゃんよろしく。相葉祐輔って言うんだ。雅紀の弟だよ。仲良くしようね」
舞「うん」
雅紀弟「ちょっと俺と向こうで遊ばない?」
舞「うん」
雅紀弟「おいで」
そのまま舞を抱っこしてお義父さんとお義母さんに目配せする。
雅紀「どうしたの」
雅紀弟「まぁまぁいいから」
そう言って2人は部屋を出た。
「あの…」
雅紀父「………話と言うのはあの子の病気の事だ」
雅紀「………」
「………はい」
俺は…拳を握り締め、お義父さんの話に耳を傾けた。