第1章 *
グラスに入ってるバイオレット色の
液体が照明によって怪しく光る。
あ、口紅の跡付いちゃってるや。
「なんかそれやらしーね。」
そう言って私の手からグラスを
取り、わざわざ口紅が付いたところに
口を付け、中の液体を飲み干した。
それ私のなんですけど、ね。
まあいいけど。
「…今の、相葉さんもある意味やらしーですよ。」
相葉さんのほうを、特に下を見ないように言うと何故か笑われた。
「何笑ってる、」
言葉の途中で、唇を塞がれた。
抵抗する間もなく舌が侵入してきた。
反射的に、奥に逃げた私の舌を
絡め取り、じゅっと音を立てて吸われる。
それをされちゃうと、下半身の奥が
きゅんと疼いて力が抜けてしまう。
ゆっくりと、ベットに押し倒される。
見上げた、相葉さんの顔は
とても色っぽくて、いつもの明るい笑顔じゃなくて妖しい笑顔を浮かべてる。
この、変わりように心臓がドクンと脈打つ。
「あい、ばさ…」
「も今すっごいやらしー顔してるよ。」
「そんな、してない…」
「してるよ。」
「ちょ、わっ…!」
着ていた服を下着ごと剥ぎ取られ、あっという間に相葉さんと同じになる。
なんという早業を持ってるんだ、この人は。
「私、シャワーまだなんです、けど?」
「後で一緒に入ろ。今は、俺に抱かれてよ。」
そんな熱を含んだ目で、言われたら
抵抗出来なくなる。
ずるい、な。相葉さんは。でもそんなずるいところも好きだって思っちゃうんだからしょうがないの、かもね。
相葉さんの二度目の深いキスを、受け入れながら目を閉じた。
終わり